警備員が目を細めて広場を見回す。
「あそこにいるだろ! 走ってる子だよ!」
貴斗が叫ぶけれど、警備員は首をかしげるばかりだ。
そのとき瑞穂が目の前までやってきた。
手足はさっきよりもひどく曲がりくねり、体が右方向へと傾いている。
もはや、走っていると言うよりも左足だけで飛び跳ねて進んでいるような状態だ。
「誰もいないじゃないか」
「いるでしょ、そこに!!」
「君たち、大人をからかうんじゃない」
その言葉に私と貴斗は目を見交わせた。
もしかして本当に見えていない?
こんな状況の女の子をみかけて驚かないのだっておかしい。
警備員はブツブツと文句を言いながら自分の持ち場へと戻っていく。
その背中を見送ったとき、「キャアアア!」と甲高い悲鳴が聞こえてきて振り向いた。
瑞穂が広場の真ん中で崩れ落ちている。
手足の皮膚から折れた骨が突き出し、そこから血が滴っているのがわかった。
「た……助けて愛花ぁ……」
私はそんな瑞穂にすぐに駆け寄ることができなかったのだった。
「あそこにいるだろ! 走ってる子だよ!」
貴斗が叫ぶけれど、警備員は首をかしげるばかりだ。
そのとき瑞穂が目の前までやってきた。
手足はさっきよりもひどく曲がりくねり、体が右方向へと傾いている。
もはや、走っていると言うよりも左足だけで飛び跳ねて進んでいるような状態だ。
「誰もいないじゃないか」
「いるでしょ、そこに!!」
「君たち、大人をからかうんじゃない」
その言葉に私と貴斗は目を見交わせた。
もしかして本当に見えていない?
こんな状況の女の子をみかけて驚かないのだっておかしい。
警備員はブツブツと文句を言いながら自分の持ち場へと戻っていく。
その背中を見送ったとき、「キャアアア!」と甲高い悲鳴が聞こえてきて振り向いた。
瑞穂が広場の真ん中で崩れ落ちている。
手足の皮膚から折れた骨が突き出し、そこから血が滴っているのがわかった。
「た……助けて愛花ぁ……」
私はそんな瑞穂にすぐに駆け寄ることができなかったのだった。



