【マンガシナリオ大賞】君に恋して

第4章 恋の戦いーバトルー

○珠李の自室ベッドの上 柱

珠李の母親「珠李!起きなさい」セリフ

麻琉に告白された日から数日 ト書き

珠李「んー……」セリフ

今日も学校へ向かうべく、支度をする。ト書き

スマホを見ると大量のメッセージが届いていた。ト書き

音晴くんからのメール"おはよう。今日は一緒に行く?"

音晴くんからのメールをスマホが読み上げるト書き

その次に麻琉からのメッセージをスマホが読み上げる。ト書き

麻琉からのメール"おはよ、朝一緒に行きたい"


珠李「麻琉に"一緒に行こう!いつもの公園前で待ってる"って送って」セリフ

私はスマホに搭載されている人工知能に指示を飛ばし、身支度を済ませて朝ごはんを食べる。ト書き

カリカリに焼かれた食パンにカリカリに焼かれたベーコンと目玉焼きを平らげ、家を出る。ト書き

麻琉「おはよう!珠李」セリフ

珠李「麻琉!おはよう!」セリフ

いつもの公園に着くと麻琉が既に待っていた。ト書き

珠李「…えっと…」セリフ

珠李の心の中の声 麻琉は確かにイケメンだった。昔からとにかくモテていた。
そんな人が私に好意を抱いているなんて…とあまり実感が湧かない上に久しぶりの会話でどんな話題を振ればいいかも分からずにいた。ト書き

麻琉「なぁ」セリフ

珠李「な、何?」セリフ

麻琉「俺、今の珠李のこと何も知らないからどんな話すればいいかもわかんねーし、今の珠李のことが知りたい。だから、珠李のこと沢山教えて欲しい」セリフ

珠李「わかった……けど、麻琉も私に今の麻琉のこと教えてよ」セリフ

麻琉「おう!」セリフ



○珠李の通う学校 柱
麻琉に告白されてから麻琉と休み時間の度にメールを送り、やり取りをするようになった。ト書き

音晴「珠李ちゃん、最近ずっと忙しくしてるでしょ」セリフ

珠李「音晴くん…うん、確かに忙しくしてる」セリフ

音晴「あの幼なじみさんとやり取りしてるの?」セリフ

珠李「うん、そうだけど」セリフ

すると突然音晴くんは私の手を握り、一気にまくし立てた。ト書き

音晴「珠李ちゃん、やめときなよ。あの人は目が見えてて、普通の世界で生きてる。でも、僕らは違う……僕、珠李ちゃんの悲しむ声なんか僕は聞きたくない!珠李ちゃんにはいつも笑っていて欲しい」セリフ

珠李「えっ……ちょ、音晴くん…?」セリフ

突然のことに戸惑い音晴くんの手を振り払おうとする。ト書き

音晴「僕も珠李ちゃんのこと女の子として意識しているんだ…悲しい想いはさせたくないって思うのは当然のことだろう?」セリフ

と、耳元で囁くと音晴くんは私を解放してくれた。ト書き

音晴「ごめんね、いきなり…びっくりしたよね。でも、あの人より僕の方がきっと珠李ちゃんを幸せに出来ると思うし、僕の方がきっと本気だよ」セリフ

私は音晴くんの突然の告白にびっくりしつつも、立ち去って行く音晴くんをぼんやりと眺めていた。ト書き

○珠李の通う学校 柱
昼休みの一件以来、私はどこか上の空で授業を受け、いつの間にか放課後を迎えていた。ト書き

トボトボと帰路に着くと、正門の前に音晴くんと麻琉の声が聞こえた。ト書き

音晴「君、いい加減にしてくれないか?愛だけでは珠李ちゃんを幸せになんて出来ないよ」セリフ

麻琉「いい加減にするのはアンタの方だ。アンタが俺に対してどう思っていようが決めるのは珠李だ」セリフ

珠李「音晴くん?麻琉?何してるの?」セリフ

ふたりに近付き、話しかける。ト書き

音晴「珠李ちゃん…僕はやっぱり嫌だ。僕の方が珠李ちゃんのことを幼なじみさんより知ってる自信があるし、珠李ちゃんの気持ちも解るし、何より同じ世界で生きてる」セリフ

珠李「確かにそうなのかも知れない。でも、違う世界で生きてたって麻琉はきっと理解してくれてる。私の友達のことを悪く言うのはやめて…音晴くんも自分の友達のことを悪く言われたら嫌でしょ?」セリフ

麻琉「珠李…俺のことまだ友達として認めてくれてるんだな…」セリフ

珠李「うん、麻琉はいつまでも友達だよ。それより、何でこんな所まで居るの?」セリフ

麻琉「だって昼休みからいきなり連絡来なくなったら心配だってするだろ」セリフ

珠李「あっ!そっか、ごめんね」セリフ

麻琉「もういいよ。でも、次からは気をつけてな…不安になったらまたここまで来るから」セリフ

麻琉が私の手を取り、歩き出す。ト書き

珠李「じゃあね、音晴くん」セリフ

去り際に音晴くんに声をかけた。
だが、音晴くんからの返事はなかった。ト書き