すべてはあの花のために①




「――――っ!」


 真夜中に突如、目を覚ます。
 寝苦しかったのか、ぐっしょりと前髪や服が汗で濡れていた。


「……ハッ。はは。しばらく、見てなかったのに……」


 点滴に繋がれた、痩せ細っていく白い腕。人格が崩壊していく様。
 目蓋の裏には、先程までの悪夢が鮮明に描かれる。

 今夜はもう、……眠れそうにない。


「……ばかやろうが」


 前髪から落ちた水滴とともに、涙に滲むつぶやきもこぼれ落ちた。