『どうするのだ。このままでは』 『何としても、内情を外部に漏らすわけにはいかん』 『し、しかしだな』 『恐れるな。手は打ってある』 『なんと』 『これでもう、我々の確約された未来を邪魔立てするものはおらん』 ……嗤い声がする。 そして、誰かの泣いている声がする。 けれど、今胸に沸き上がるこの不快を、そして悲しさを消してくれるのなら。 大切な人たちをもう、なくさずに守れるというのなら……。 「……いいんだ」 これで、いいのだろう。