――……誰もが寝静まった深夜。 真っ暗の部屋の中、唯一照らしているのは、机の上の光のみ。 そこに佇む黒い影。 その手だけが何度も、何度も同じ動きを繰り返す。 ペラ……ペラ……。 その黒い影は、何かを読んでいるようだ。 「…………」 何を読み終わったのか。机の引き出しに、それをしまう。 そして何事もなかったかのように、その黒い影は静かに眠りについた。