静まり返った駐車場に、エンジン音だけが響く。
車を止めると、ようやく二人だけの空間になった気がした。
「天音さん、これ」
そう言って、愁さんが立派な紙袋を手渡してくる。
クリスマスプレゼントだ。
「えっ、ありがとうございます! 私も……はい、これ!」
慌てて用意していたプレゼントを差し出すと、愁さんが嬉しそうに受け取ってくれた。
「開けてもいい?」
「もちろん!」
お互いにプレゼントを開封する。
私は、愁さんに似合いそうなストールを選んだ。
愁さんは、私が以前欲しいと言っていたペアの紅茶カップをくれた。
「……覚えててくれたんですね」
「もちろん。天音さんの欲しいものは、できるだけ叶えたいと思ってるから」
優しく言われて、胸の奥がぽっと温かくなる。
以前、一緒に買い物に行った時に、ちらりと言っていただけなのに、覚えていてくれたことが嬉しかった。
「使うのがもったいないくらいです」
「ダメだよ、せっかく買ったんだから使ってくれないと」
「そうですね」
私がふふっと笑うと、愁さんは少しだけ考えるような顔をして、視線をこちらへ向けた。
「──あ。それか、一緒に暮らし始めたら二人で使う?」
ドクン。
一瞬、何を言われたのかわからなくて、私は思わず愁さんの顔を見つめた。
「えっ……?」
戸惑う私に、愁さんは当たり前のように微笑んでいる。
なんだろう、ずるい。
サラッと「一緒に暮らし始めたら」なんて言われて、私は一体どれだけドキドキさせられるんだろう。
「愁さんも、これ似合いそうですよ」
動揺を隠すようにストールを軽く巻いてあげると、愁さんが少し照れたように笑った。
「ありがとう。大切にする」
しばしの沈黙。寒いと思ったら、窓の外を見ると雪が降っていた。
身体を震わせると、愁さんはストールを広げて、その中にそっと私を抱き寄せた。
「……キスしていい?」
車を止めると、ようやく二人だけの空間になった気がした。
「天音さん、これ」
そう言って、愁さんが立派な紙袋を手渡してくる。
クリスマスプレゼントだ。
「えっ、ありがとうございます! 私も……はい、これ!」
慌てて用意していたプレゼントを差し出すと、愁さんが嬉しそうに受け取ってくれた。
「開けてもいい?」
「もちろん!」
お互いにプレゼントを開封する。
私は、愁さんに似合いそうなストールを選んだ。
愁さんは、私が以前欲しいと言っていたペアの紅茶カップをくれた。
「……覚えててくれたんですね」
「もちろん。天音さんの欲しいものは、できるだけ叶えたいと思ってるから」
優しく言われて、胸の奥がぽっと温かくなる。
以前、一緒に買い物に行った時に、ちらりと言っていただけなのに、覚えていてくれたことが嬉しかった。
「使うのがもったいないくらいです」
「ダメだよ、せっかく買ったんだから使ってくれないと」
「そうですね」
私がふふっと笑うと、愁さんは少しだけ考えるような顔をして、視線をこちらへ向けた。
「──あ。それか、一緒に暮らし始めたら二人で使う?」
ドクン。
一瞬、何を言われたのかわからなくて、私は思わず愁さんの顔を見つめた。
「えっ……?」
戸惑う私に、愁さんは当たり前のように微笑んでいる。
なんだろう、ずるい。
サラッと「一緒に暮らし始めたら」なんて言われて、私は一体どれだけドキドキさせられるんだろう。
「愁さんも、これ似合いそうですよ」
動揺を隠すようにストールを軽く巻いてあげると、愁さんが少し照れたように笑った。
「ありがとう。大切にする」
しばしの沈黙。寒いと思ったら、窓の外を見ると雪が降っていた。
身体を震わせると、愁さんはストールを広げて、その中にそっと私を抱き寄せた。
「……キスしていい?」



