百貨店の課題が終わって、ようやくひと息ついた数日後。
今日は、愁さんと一緒にいつもの喫茶店にシャテーニュのケーキセットを食べにきた。
店内に漂うコーヒーの香りと、ほんのり甘い焼き菓子の匂いが心をほぐしてくれる。
「……はぁ」
「どうしたんですか、愁さん」
愁さんが珍しくため息をついている。
「こうして天音さんにケーキセットを選んであげるのも、最後かと思うとね」
「何言ってるんですか! 正式に恋人同士になったんだから、いろんなスイーツを食べに行きましょうよ!」
そう言うと、愁さんは目を見開いてから、優しく笑った。
「そうだね」
恋人役のままだったら、本当に愁さんとはこれでお別れだったはずだ。
でも、今は違う。
正式に恋人同士になったんだから、いつでもデートできるはず。
……まあ、愁さんは忙しい人だから、なかなか一緒に出かけることはできないけど。
それに、そろそろクリスマスの準備も本格的に始まる頃だ。
私も店を手伝うことになるから、もしかしたらクリスマスが終わるまで……もう会えないかもしれない。
「いっそのこと、結婚して一緒に住もうか」
「ダメです。私には夢があるんです。大学を卒業して、ツアーコンダクターになって、世界中のスイーツを制覇するんです!」
「ふふっ、そうだったね」
「だから、もうちょっと待ってください。……愁さんに、ふさわしい女性になってから……」
最後の方は、小声でごにょごにょとなってしまった。
「ん?」
と、愁さんは首を傾げてこちらを覗き込むように見てくる。
今日は、愁さんと一緒にいつもの喫茶店にシャテーニュのケーキセットを食べにきた。
店内に漂うコーヒーの香りと、ほんのり甘い焼き菓子の匂いが心をほぐしてくれる。
「……はぁ」
「どうしたんですか、愁さん」
愁さんが珍しくため息をついている。
「こうして天音さんにケーキセットを選んであげるのも、最後かと思うとね」
「何言ってるんですか! 正式に恋人同士になったんだから、いろんなスイーツを食べに行きましょうよ!」
そう言うと、愁さんは目を見開いてから、優しく笑った。
「そうだね」
恋人役のままだったら、本当に愁さんとはこれでお別れだったはずだ。
でも、今は違う。
正式に恋人同士になったんだから、いつでもデートできるはず。
……まあ、愁さんは忙しい人だから、なかなか一緒に出かけることはできないけど。
それに、そろそろクリスマスの準備も本格的に始まる頃だ。
私も店を手伝うことになるから、もしかしたらクリスマスが終わるまで……もう会えないかもしれない。
「いっそのこと、結婚して一緒に住もうか」
「ダメです。私には夢があるんです。大学を卒業して、ツアーコンダクターになって、世界中のスイーツを制覇するんです!」
「ふふっ、そうだったね」
「だから、もうちょっと待ってください。……愁さんに、ふさわしい女性になってから……」
最後の方は、小声でごにょごにょとなってしまった。
「ん?」
と、愁さんは首を傾げてこちらを覗き込むように見てくる。



