ライバル店の敏腕パティシエはスイーツ大好きな彼女を離さない〜甘い時間は秘密のレシピ〜

 その次に来たのは、エッフェル塔。
 1889年、パリ万国博覧会のために建設された塔で、当時は世界一の高さを誇っていた。
 最初は「景観を損なう」と批判も多かったけど、今やパリの象徴になっている。

「エッフェル塔って、元々二十年で撤去される予定だったんですよ」
「そうなんだ?」
「でも電波塔として使えることがわかって、残されたんです」
「さすがツアコン志望、詳しいね」

 そう言って、愁さんはふっと微笑んで私の頭を撫でてくる。
 子ども扱いされてるようで少し複雑な気持ちになるけど、でも愁さんに撫でられるのは嫌じゃない。
 
「えへへ、予習してきました!」

 歴史の中で価値が変わるものもある。
 そんなことを考えながら、塔の下をくぐる。