ライバル店の敏腕パティシエはスイーツ大好きな彼女を離さない〜甘い時間は秘密のレシピ〜

 送られた画像を見ると、全然カメラ目線になっていない。
 おさえた頬が、ほんのり赤く染まっている。
 送信取り消ししようと画面をタップする前に、愁さんからの返事があった。

『着物? かわいいね』

 かわいいと言われて、さらに頬が熱くなってしまう。

「ほらー、かわいいって。ね?」

 百合香が満足そうだ。
 でも、今のは着物を褒めたんだと思う。

『すみません、百合香がふざけて送ってしまって』

 そうメッセージを送ると、すぐに返事が来た。
 
『百合香さんに、お礼を言っておいて』

 それを見た百合香は、満足げに胸を張る。
 
「やっぱり、愁さんは話がわかるわ」

 私……絶対に二人に遊ばれてる……。