「…わかった、いつ、出ていけばいい?」


出来るだけ、冷静に…

動揺していると思われないように返事をする。


「出来れば、今日中に…」


申し訳なさそうに言われても…

翔の私は半同居状態。

出ていく、となると私は新しい家を探さなければいけない。

親は…小さい頃に他界しているし、運の悪いことに少し歳の離れた兄は海外に留学中だ。

翔はもちろんその事を知っている。

なのに…

はぁ…だんだん悲しみよりも呆れの感情が出てくる。

とりあえず、お兄ちゃんに連絡してみようかな。


「わかった…準備するから」

私はそういって、総長室をでた。

もうここにくることもないんだろうな。

出て行く準備と、転校手続きもいる…かな?

このまま翔と同じ学校に通うっていうのもありだけど、転校したほうが楽だし。

てか、そんなの今日中にとか無理じゃん…