影谷くんは、鈴蘭の花束を鹿島先輩に渡す。
「鈴蘭の花言葉には、受け取った人に幸運をもたらすと言うものが有るんです。鹿島先輩、幸運を貴方に」
鹿島先輩は、花束を受け取る。
何も変わった様子はないが、これは底上げみたいなものなので良いのだ。
「次は、龍だよ」
影谷くんに呼ばれて、千代田くんは頷く。
顔が青いのは、呪いの力がどう作用するのか分らなくて怖いんだろう。
でも今は、そんな事を言ってられないから、怖いけどやるしか無くなっているんだ。
怯えている彼の手を取った。
「大丈夫だよ。千代田くんの言葉が助けになる事、私分かってるから」
千代田くんは頷くと、大きく深呼吸をした。
そして、私の両手を彼の両手で優しく包む。
「花咲、お前は青バラを貰う事で奇跡を起こす魔女だ」
その一言で何かが変わった気はしないけど、千代田くんが言ったから、私はきっと魔女になっている。
頷いて千代田くんの手を離すと、鹿島先輩が来る。
透けた鹿島先輩の手には、青いバラと、手を繋いだ夢野先輩が居る。
鹿島先輩は、私の前に立ち止まった。
「奇跡を起こす魔女。この青いバラを渡すので、私の願いを叶えてください。私である梅の木を直してください」
そして、青いバラと夢野先輩、両方を手渡される。
「分りました。貴方の願い、叶えましょう」
ばかばかしい演劇かもしれない。
でも、私は、本気で奇跡を起こしたいと願っている。
青いバラを持ったまま、傷ついた梅の木に近づく。
「私は魔女、奇跡を起こす魔女です。バラを受け取ったのだから、奇跡を起こします」
鼓くんも手を当てている梅の木に、私も手を当てて、願いを込める。
「木よ、治って! 生きて、咲いて!」
私の手に、夢野先輩が手を合わせる。
「オレは奇跡を起こす青バラさ」
夢野先輩が微笑んだ時、



