「桜ちゃん、機嫌良いね。何か良いことが有ったのかい?」
音楽祭から数日後の放課後。
生徒会室で業務の休憩中、夢野先輩に尋ねられた。
私、そんなに態度に出てたかな?
「実は、クラスメイトの子に一緒にお昼食べようって誘われたんです」
誘ってくれたのは、音楽祭の時に話した菱川さん。
話しかけるとは言ってくれたけど、お昼を誘ってくれるなんて思ってなくて、すごい嬉しかった。
「えっ、花咲さん、一緒にお昼食べれなくなっちゃうの?」
影谷くんが、寂しそうな声を出す。
「ううん、毎日では無いよ。でも、明日はその子と食べるかな」
「そっかぁ」
頷いてはくれたけど、残念そうだ。
「千代田くん、ごめんね、いつも一緒に食べているのに」
彼は首を横に振る。
「大丈夫。……クラスの子と仲良くなれたなら良かった」
「うん、ありがとう」
千代田くんは、優しいし、いっぱい喋ってくれたから、嬉しい。
「桜ちゃんだけじゃなく、紅も機嫌がいいよね。何か、良いことあったのかい?」
「一日で自販機に二回当たったり、喫茶店でおまけをもらったりしたくらいしかないですよ」
「鹿島先輩、運良いですね」
「そういえば、紅は、去年もこの時期そんな感じじゃなかったかい?」
「運……去年……」
鹿島先輩は顔を曇らせる。
え、運良いとか言われるの嫌なタイプだった?
不安になって夢野先輩を見ると、夢野先輩は不思議そうにしていた。
「鹿島先輩?」
声かけない方がいいかもしれないけど、あからさまに顔に出ていたから、声をかけた。
「大丈夫です。何でも無いですよ」
うそ、絶対なんか有る。
……教えてくれるかな?



