これ、夢野先輩の声?
マイクを通してなさそうな声だったけど、講堂内に響き渡り、ざわざわとしていた講堂が静まる。
「闇の中に潜むキミが、表に出てきてくれるような奇跡を!」
夢野先輩は、いつのまに移動していたのか、花道からライトが当たるステージに立つていた。
「オレは起こしたいと思っているのだ!」
夢野先輩ってば、一人芝居して時間稼ぎ?
でも、いきなりのトラブルで台本なんてないんだから、大変すぎるよね。
「どうしてそんな事をって、キミは思うかい?」
観客席に投げかけるように言うと、その後沈黙が続く。
何を言うか困っているって言うより、夢野先輩は、何かを待っているように黙っていた。
これは……答えた方がいいのかな。
気のせいかもしれないけど、夢野先輩は私の方を見ている気がした。
「ええ、思います! 私は、貴方の心が分らない!」
座ったままじゃ、講堂の隅まで聞こえる声が出ないような気がして、立ち上がって答える。
後ろに人いないから、いいでしょ。
鹿島先輩は、驚いた様子で私を見ていた。



