無事に見回りを終え、講堂に戻ると、もうまもなく開幕という所だった。
急いで、鹿島先輩の隣に座る。
「すみません。遅くなりました」
「大丈夫ですよ。問題なかったですか?」
「はい、問題ありませんでした」
基本、座席はクラスごとだが、生徒会役員の担当者と、文化実行委員は別の場所に集まって座ることになっている。
クラスの人達に囲まれても気まずいし、ここで良かった。
静かに待っていると、ブザーが鳴り、観客席が段々と暗くなって、音楽が鳴り始める。
〜〜♪
それとともに、ライトが光ったステージに何人かの生徒が出てくる。
音楽祭のオープニングステージを務める人達で、森の小人という設定で演技をしたり、歌ったりするのだ。
彼、彼女らが声を上げようとした、その時、
キーーーンと大きな音が講堂内に響く。
不快なその音に、私は耳をふさぐ。
すぐに音は止るが、流れていた音楽も止ってしまう。
「機器トラブルですね」
鹿島先輩が冷静に言った。
予定では、小人達がセリフを喋った後、音楽に乗って歌い、開幕のアナウンスが流れる予定なんだけど……
ステージに上がった生徒達は不安そうに当たりを見回し、観客席の生徒達も、ざわざわとしている。
音響機器は直らないのか、音楽は中々再開されない。
ついたかと思ったら、またキーンと大きな音が響くだけだ。
これ、どうなるんだ?
不安と困惑が講堂内に蔓延する中、希望のように一つの声が聞こえた。
「オレは、奇跡を起こしたいんだ!」



