「この花のように、元の花が枯れないのは良いんですが、問題もあります。例えば踏みつけられたり、手折られたり、そういった元の花が傷つけられるような事が有った場合、人の姿の方もダメージを覆うんです」
「それって、やばくないですか?」
ダメージがどれくらいかは分からないけど、自分の元が傷つけられているなら、ちょっと痛いではすまなそう。
「やばいですよ。だから、ここで保管されていて、生徒達は立ち入り禁止になっているんです」
「なるほど」
ここが立ち入り禁止の理由がよく分かった。
もしこのの花たちに何かあって、生徒会のみんなが傷つくようなことがあったらまずいから、入ったら退学って言われているんだ。
「鍵は、理事長と当代の生徒会長が保管しており、監視カメラや防犯センサーに反応があった時、生徒会長はここに来ることになっています」
「だからあの日、夢野先輩はここに来たんですね」
「はい。花咲さんが入ったドアも、より厳重に封鎖したので、そう簡単に人が入ってしまうことは、もうないでしょうね」
それなら良かった。
みんなには、元気に過ごしてほしいもん。
「そろそろ、退出しましょうか」
「あ、その前に。鹿島先輩の元となった梅って、どれですか?」
「それなら、こっちです」
鹿島先輩が案内してくれた先には、一本の赤い梅の木があった。
これも満開で、とっても綺麗だ。
「綺麗ですね」
「有り難うございます。嬉しいです」
なんて言っているけど、鹿島先輩は嬉しそうな表情してない。
自分の元の花だげど、今は人の姿だから、そんなものなのかな?
でも、みんなは褒めたら嬉しそうにするような気もするし……。
鹿島先輩のことを、まだまだ知らないから、不思議に思うのかな。
鹿島先輩のこと知ったら、不思議に思わなくなる?
「今まで聞いたことなかったですけど、鹿島先輩って特殊能力なんですか?」
「さぁ、分ってないです」
鹿島先輩はサラッと、特に気にした様子もなく言った。



