えっ、え!?
イケメンに突然抱きしめられる。
そんな状況に、心臓がドキドキしてくる。
な、な、何?
私、今からなんて言われちゃうの⁉︎
戸惑いながらも心が躍っている私に、彼は言った。
「会いたかったよ、花の同胞!」
……花の同胞?
困惑して固まった私をよそに、男は続ける。
「これからきっと、苦しいこと、辛いこと、人にならなきゃ良かった、そう思う事も有るかもしれない。だけど安心してくれ、キミは一人じゃない。オレがいる! オレと共に、人間ライフを楽しもう!」
なに、この人⁉︎ マジで意味分かんない!
男の腕の中から、強く男の胸を押して離れる。
「あの、人間ライフって何ですか! 花の同胞って⁉︎」
抱きしめていた男は、力を緩め私を解放してくれるが、不思議そうに私を見つめる。
「あれ、記憶が無いのかい? キミは、桜から生まれた花の精だろう?」
男の美しい青い目は、当然だろって言っているみたいだけど、本当に何言っているのこの人⁉︎
「違います! 私は、父と母から生まれた、人間です!」
「人間?」
男は、口元に手を当て、不思議そうに私を見つめる。
「うちの生徒って事かい? それにしては見ない顔だけど」
「この前転入して来た。一年一組の花咲桜です!」
私が自己紹介したことで、男は「あー」と頷く。
「転入生? そういえば、そんな顔、そんな髪色だったね、忘れていたよ!」
忘れてたって、この人私のこと知っているの?
私は知らないけど。
こんなイケメン、会ったら忘れないと思うんだけど。
「キミは、花の精じゃないんだね。間違えてしまったよ」
「貴方、さっきから何の話をしているんですか? 花の精って? 人間ライフって?」
男は、ニコッと笑顔を見せる。
「悪いね、転入生。オレが言ったことは忘れてほしい」
その笑顔が、誤魔化しているみたいでムカついた。
「忘れられるわけないじゃないですか! 本当、何ですか花の精って!?」



