「音楽祭の生徒会参加は、私と花咲が。三年生の会は、夢野と千代田が。来期入学の小学生との交流会は、鼓と影谷がメインで動いてもらいます」
生徒会長が鹿島先輩になっても、会議を進行する人は変わらない。
変わったのは、立ち位置だけ。
鹿島先輩は、前まで会長が居た、お誕生日席に。
会長……夢野先輩は、誰も使って居なかった、私の前の席になった。
「ちなみに、その組み分けにした理由を聞いて良いかい?」
夢野先輩が話し始めて、空気がピリッとする。
先輩はいつもと変わらないけど、一年生は夢野先輩が会長になると思っていたから、みんな夢野先輩が不機嫌なんじゃないかと気にしているんだ。
「ええ。音楽祭は、来賓がいるので生徒会長の私と、転入生ゆえ、一年を振り返ったり教えたりするのが向いていない花咲を。三年生の会は、三年生に特に好かれている夢野と、喋る必要があまりないので千代田を。小学生との交流を、残った二人にお願いすることにしました」
スラスラと答えた鹿島先輩に夢の先輩は頷いた。
「なるほど、了解したよ」
「それぞれ資料は纏めて有りますので、自分が担当する仕事は勿論、他の仕事にも目を通しておいてください」
鹿島先輩から資料を渡され、会議が終了する。
三学期終了まで一ヶ月ちょっとなのに、三つも大きめな仕事があるなんて大変だな。
大きく担当するのは一つみたいだけど、頑張ろう。
「あ、鹿島先輩。これって、どういうことなんですか?」
資料を見ていて分らない事があったので、聞いてみる。
「ああ、これは、当日の流れで……」
鹿島先輩は、雰囲気が柔らかくなったかも。
「わかりましたか?」
にっこりと笑ってはいないけど、少し微笑んでいるようにも見える顔。
機嫌、凄くいいんだろうな。
鹿島先輩、生徒会長になりたかったって言ってたもんね。
……でも、夢野先輩は、どんな風に思っているのかな。



