「ただいま戻りました」
「やばい、チョコいっぱい過ぎる!」
「全部食べきれるかな?」
「え、二階?」
下から、沢山の声が聞こえたかと思うと、どんどん近づいてくる。
ーーガチャリ
扉が開く。
「ここに何が? あ、桜ちゃん!」
会長は驚いた様子で私を見ると、私の居る部屋に入ってきた。
「花咲?」
「花咲さん、居るの?」
その後ろには、生徒会役員のみんなが居る。
みんな、すごい。手に持った袋にチョコがパンパンに詰まっている。
「お邪魔してます」
私が頭を下げると、鹿島先輩は驚いたまま尋ねる。
「どうして、こんな所に?」
みんなが、驚くのも当然。
だって、今、私が居るのは生徒会寮。
さっき、学校で会い声をかけてきたのは、生徒会寮の管理人さんだったのだ。
「チョコ渡したかったんですけど、みんなに合えなかった時、偶然管理人さんに会って。チョコを渡してもらおうと頼んだら、ここで待ってていいよって言ってくれたんです」
管理人さんは優しく、ミニキッチンの暖房を付けてくれて、飲み物とお菓子ももらっちゃった。
これも、この前生徒会寮に来て、管理人さんに会ってたからだ。
ここでチョコ作ってて良かったな。
「皆さん、いっぱいも貰ってて、また少し増えちゃうけど、ハッピーバレンタインです」
恋する気持ちはないけれど、伝えたい感謝を込めて。
会長と、鹿島先輩と、千代田くんに、前作ったカップケーキを。
もう渡している、鼓くんと、影谷くんには、お口直しになるようなドライフルーツを渡す。
「いいのかい? ありがとう。どちらもとっても可愛いね。お返し、期待しておいてくれ。奇跡を起こせるくらい素敵なものを渡すよ」
会長は、何よりも素敵に笑ってくれる。
「有り難うございます。大切にいただきますね」
鹿島先輩はいつも通りクールに、でも優しさがある。
「嬉しい。有り難う」
千代田くんの言葉は少ないけど、その微笑みは本当に喜んでくれているみたい。
「オレにも有るの!? ありがとう、花咲!」
鼓くんは太陽のように笑ってくれた。
「ありがとう、花咲さん。……また、人に近づいたかも」
影谷くんは、ふわりと嬉しそうに笑う。
みんな、いっぱいもらっているのに、私のチョコにも喜んでくれるなんて。
私も、とっても嬉しくなる。
「これからもよろしくお願いしますね」



