エプロン、バンダナ、マスク、手を洗ってビニール手袋。
完全装備になった状態で、毒が入ってしまわない為のチェックをする。
「鈴、いいか? 髪、唾、涙、血、汗、全部気を付けるんだぞ。分った!?」
「うん!」
影谷くんは気合いを入れて頷いた。
今日作るのは、私はチョコカップケーキで、影谷くんは食パンで作れる簡単チョコラスク、鼓くんはチョコマカロン。
三人それぞれの料理レベルで作れるものを選んだ。
話しながら、それぞれ作業をする。
私はチョコを刻んで溶かし、影谷くんは食パンをくり抜き、鼓くんはメレンゲを作っている。
「鼓くん、マカロン作れるの凄いね。料理、好きなの?」
「好きってか、最初から得意なんだ。たんぽぽって料理にもなるからかな?」
「たんぽぽの料理? そんなの有るんだ。想像がつかないかも」
「おひたしとか、天ぷらとか、和え物とか、色々あるよ! あ、鈴、それ手気を付けて」
鼓くんは話しながら、テキパキ調理しているのに、影谷くんのことも見ている。
料理、本当に得意なんだな。
「はーい、気をつけるね。たんぽぽコーヒーってのも有るから、レオ、コーヒー淹れるのも得意なんだよ」
たんぽぽコーヒー?
たんぽの風味があるコーヒーなのかな?
どんなのか、全然想像がつかない。
「後で、花咲にも淹れるよ!」
「ほんと? 楽しみにしておくね」
「鈴と違って、花咲は手つき危なくないね。料理するの?」
「普段はしてないけど、去年もバレンタイン作ったから、チョコ溶かすくらいはね」
よくある話なのに、鼓くんったらすごく驚いている。
「えっ、誰にあげたの? 彼氏? それなら龍もかいちょーもやきもち妬いちゃう!」
「ただの友チョコだよ」
でも、もし本当に彼氏にあげてたとして、やきもち妬くのかなぁ。
去年のことだし、会長は奇跡を起こしたい、千代田くんは人になりたいって感じだから、私が恋してたとして気にするかな?



