数分間考えた後、会長は結論を出す。
「分った。オレから理事長に許可を取っておくよ。だが、鈴が頼れる料理上手な人は居るのかい?」
影谷くんは、鼓くんを見た。
「レオ。頼んでも良い?」
「え! オレ!?」
鼓くんは、突然自分に話しが来て驚いている。
「うん。レオ、料理上手だから……」
鼓くんって料理上手なんだ、ちょっと意外。
頼まれた鼓くんは、頭をガシガシと掻いて考える。
「まー、得意かもしんないけど。……鈴、オレの言うこと絶対聞く?」
「聞くよ。絶対、言うとおりにする!」
影谷くんは、ぶんぶんと頭を振る。
「じゃあ、いいよ。一緒にチョコ作ろうか」
鼓くんの言葉に、影谷くんは花が咲く様にパッと笑う。
「やったぁ。よろしくね、花咲さん!」
「うん」
影谷くんとチョコ作るのは楽しみだけど、なんか、渡したい相手の鼓くんと作る事になっちゃった。
まぁ、楽しそうだからいっか。
***
「花咲さん」
生徒会が終わり、帰ろうとしたところを影谷君に呼び止められる。
「ありがとう、一緒に作るって言ってくれて」
「ううん、いいんだよ。私も影谷くんと仲良くなりたいって思っていたから。楽しみだね」
私がそう言うと、影谷くんは綺麗な緑の目をまん丸に開き、そして傷ついた顔をした。
え、私、何か言っちゃった?
「……ごめんね」
小さな声で影谷くんは謝る。
「どうして謝るの?」
「僕さっき、花咲さんと仲良くなりたいって言って居たけど、本当は花咲さんと一緒って言ったら料理出来るかなって思ってたから言ったんだ。会長って、花咲さんに甘いし」
甘くはないと思うけど……。
「別に気にしないでいいよ。影谷くん、そんなに料理したかったんだ?」
「うん。ずっとしてみたかった」
影谷くんは、ふわりと笑う。
その笑顔はとっても素敵で、一緒にチョコ作りしようって言って良かったって思える。
「なら、一緒にしようよ、チョコ作り。楽しみだね」
「うん。すごい楽しみ。本当にありがとう花咲さん」



