「こういう時って、どうするのが正解なのかな?」


辺りは住宅街なんだけど、時間のせいか人が少ないから誰かに声をかけることは出来ない。

近くの家のチャイムを押してみたけど、運の悪いことに、どこも返事がない。

とりあえず、憶えている限り戻ろうかな。


まず最初の曲がり道、ええっと、ここはこっちで、その次は……




「もっとやらかしたかも」


憶えている限りで歩いたら、畑の多い場所に来てしまった。


絶対、こんな所通ってない!

あー、もう、どうしよう。また、戻る?
でも、さっき、それで間違えたし。


正しい時間は分らないけど、もう道を外れて30分以上経っていると思う。

同じ時間にスタートした子は、ゴールしたくらいかな。


そう思うと、まだまだ歩ける気がするのに、心臓がヒリヒリして、体がすごい疲れていて、畑の縁に座る。

午前から始めたのもあって、まだ暗くなる時間じゃないし、ちょっとは休憩しても大丈夫のはずだ。


ほんとここって、どこなんだろう。

先に道を外れちゃった子は、大丈夫かな? もう、帰れたかな。

生徒会として頼られて、頑張ろうって思って、その結果がこれじゃダメだよね。

私って駄目だなぁ……



そうやって、何分休憩していたことだろう。


「桜ちゃん!」

「花咲!」


呼ばれたような気がして、顔を上げた。