千代田くんと鼓くんと話していると、そのうちみんなが集まる。

今日は小会議が有って、鹿島先輩が進行役だ。


「それじゃあ、最初の議題というか、確認ごとは、明後日行われるマラソン大会です」


そういえば、マラソン大会があるって先生言ってた。


「マラソン大会の進行やコースの確認は体育委員会が、怪我の手当などは保健委員が行う為、生徒会の仕事は、急病人などを学校または休憩所まで連れて行く事です」


生徒会主導じゃないから、あんまりやることは無いみたい。


「生徒会役員は携帯の使用を許可されていますので、そちらを使って、教師や休憩所スタッフと連絡を取ってください」

「携帯って、自分のスマホを使って良いって事ですか?」

「最初から理事長にスマホを貸与されている私達はそうですが、花咲さんは完全自家用なので、今回は駄目ですね。もう少ししたらスマホを貸し出せるので、今回、花咲さんは普通に走ってください」

「はい」


みんなと違って、私は本当にやること無いみたい。

私も生徒会なのに、一人だけ何にもないなんて……ちょっと申し訳ない。


「それと、もう一点確認しておきたい事ですが、鼓と千代田は互いのサポートのため、ずっと一緒に行動するのを忘れないように」

「龍とね、オッケー!」


鼓くんが返事をし、千代田くんも頷く。


喋ることが少ない千代田くんがサポート居るのは分るけど、鼓くんもサポート居るの?


首を傾げると、それに気づいたのか鼓くんが補足してくれる。


「花咲は、知らないっけ。オレ、特殊能力? のせいで、少し強い風があると、びゅーんって飛んでっちゃうの」


鼓くんの元の花って、たんぽぽだったよね。
なら、飛ぶのも、


「たんぽぽの綿毛みたいに?」

「たんぽぽの綿毛みたいに!」


笑顔で言っているけど、大変そうな能力だ。


「それって、マラソン大会大丈夫なの?」

「うん! 誰かが手掴んでくれたら大丈夫! 心配してくれてありがとうね!」


本人が言うなら、大丈夫か。
無事に、マラソン大会終わらると良いなぁ。