生徒会室に戻ると暖かくて、冷えていた手や足が温まる。
さっそく千代田くんの事を聞きたい所だけど、鹿島先輩は仕事中の様だった。
休憩時間になったら、聞けば良いかな。
私は、生徒会で庶務という役目をもらったので、その仕事を教えてもらっているうちに、休憩時間になった。
みんなは飲み物を入れたり、ストレッチをしたりしている。
花の精も、飲み物飲むんだな。
「鹿島先輩、話したい事が有るんですけど、今良いですか?」
「生徒会の事ですか?」
「いえ、関係ないです」
生徒会中だから駄目って断られちゃうかな。
昨日今日の仲だけど、鹿島先輩はしっかりしている人ってイメージが有る。
「分りました。ここで話しますか? それとも、応接スペースで?」
「廊下でもいいですか?」
「勿論構いませんよ」
二人で廊下に出る。
日が落ちて、さっきより寒いかも。
「寒いですね」
「すみません。すぐ、終わらせます」
「いえ、私は良いんです。寒い場所は得意ですから。それより貴方ですよ」
鹿島先輩は、ブレザーを脱いで渡してくれる。
「寒いでしょう。着ていた物ですが、どうぞ」
「いえ、これを受け取ったら、先輩が風邪ひいてしまいます」
鹿島先輩はセーターを着ているけど、それだけじゃ絶対寒いよ。
「元が梅なので、寒さには強いんです」
だから気にしないでくださいと、ブレザーを渡される。
花のそういう特徴も受け継いでいるんだ。
「ありがとうございます」
受け取ったブレザーを肩から羽織る。
凄い良い香り。
華やかな会長のとは違う、落ち着く香りだ。



