「会長。そろそろ仕事をして欲しいんですが」

「すまないね。もう戻るよ」


ずっと話していたけど、鹿島先輩に呼ばれ、会長は仕事スペースへ向った。


私も、生徒会の事しなきゃ。


そう思った所で、


「花咲さんは、いいです。千代田が何か言いたそうにしていますから、そちらを聞いてやってください」


鹿島先輩に止められた。


振り返って、千代田くんを見る。
私には、何か言いたそうにしているとは見えないけど……


「そうなの?」


千代田くんは、頷いた。


「そっか。えっと、何かな?」


私の問いに、千代田くんは難しい顔をする。


うーん。

何も言われないってのは、私にとっても難しい。


「言葉には出来ない? なら、紙に書くとかでも大丈夫だよ」


千代田くんは首を横に振ると、扉の方を指す。


「もしかして……あんまり聞かれたくないの?」


小声で聞くと、千代田くんは頷いた。


「じゃあ、廊下で話そっか」