「気になる事があったら、話の途中でも聞いてくれて構わないよ」
「はい」
「まずはそうだね。オレ達、花の精って言うのは、ある日突然、この学園に咲いている花の前に現れるんだ」
さっそく、気になる。
「花の精って、この学園限定の存在なんですか? それとも、知らないだけで世界的にいっぱい居るんですか?」
「オレが知っているのは、この学園限定だね。一年に二、三人が、十二歳くらいの姿で現われるんだ。たまに生まれてこない年も有るよ」
最初から、十二歳くらいの姿なんだ。
なんで、その年齢なんだろう? ここが学校だから?
「続きを話すよ。突然生まれたオレ達は、学園に保護される。衣食住を与えられて、この学園にも通わせてもらっている。その代わり、生徒会として、学園の運営を手伝う事になっているんだ」
なるほど。生徒会役員は寮生活だって理事長が言っていたけど、あれ逆なんだ。
生徒会役員だから寮生活なんじゃなくて、寮で衣食住を与えられている人達が生徒会役員になる。
「そんなオレ達、花の精達には、三つの特徴が有るんだ」
会長は、まず一本、指を立てる。
「一つ、顔が良い」
「それ、自分で言うんですか?」
確かに生徒会メンバーみんな顔良いけど。
「事実だから、しょうがないだろう。花という、鑑賞され、愛でられてきたもの達だからか、みな美しい容姿をしているんだ」
まぁ、花が綺麗なのはそうだし、人の姿になっても綺麗なのは変じゃないか。
「二つ、良い香りがする。これも、花っぽい特徴だね」
確かに、会長に近づいたとき良い香りだったし、この部屋も凄い良い香りが漂っている。
「そして三つ目だが、特殊能力が使えるんだ」



