放課後、私は生徒会室へ向う。


「失礼します」


生徒会室の中は、よくある学校の廊下とは別世界だ。

濃い茶色の木の床に赤い絨毯がひかれていて、壁紙はベージュのダマスク柄。

応接用に置かれた、木のローテーブルも、向かい合ったロングソファもどれもアンティーク調。
壁際の低い棚の上には、赤い薔薇が入った花瓶がある。


なんでこんなに、雰囲気あるんだろう。……左側だけ。


部屋の右半分を見る。

右側も、壁や床は同じだけど、くっつけられ、島になっている七つのテーブル達は職員室にありそうな銀色の業務用って感じのやつで、椅子も職員室に有る様な、くるくる回るクッションの硬い椅子だ。


どうせなら、雰囲気統一すれば良いのに。


「こっちだよ、桜ちゃん。昼の続きを話すから、おいで」


会長は、応接スペースのソファに座っていた。


「話は聞きたいですけど、私、仕事とか無いんですか?」


昨日、生徒会に入ったばっかりなのに、話していて良いものなのかな? 


右半分の方では、もう来ていた鹿島先輩と千代田くんが座って何か作業をしている。


「細かい仕事は有るけど、オレ達に関する事だから、花ちゃんにも先に話していた方がいいと思ってね」


オレ達って、会長だけの事じゃないの?


どうぞと手で示され、会長と向かい合っているソファに座った。