「それじゃあ、次に生徒会メンバーの自己紹介をしよう」
会長の言葉に、鼓さんが手を上げ、立ち上がる。
「じゃあ、オレから! 一年三組の鼓 レオ! 生徒会広報! たんぽぽの精でっす。ヨロシク!」
鼓くんの自己紹介に、私は首を傾げる。
「たんぽぽの精?」
「お前……」
どういうことだろうと会長を見ると、隣で頭を抱えていた。
「え、オレ、なんかやらかした!?」
慌てる鼓くんに、会長は詰め寄る。
「オレは、オレが花の精だとは言ってしまったけれど、みんなが花の精だとは言ってないんだよ!」
「みんな、花の精なんですか? 全員?」
私の言葉で会長は固まると、ゆっくりと振り返り私の両肩に手を置いた。
「忘れて欲しい」
「無理です」
首を横に振ると、会長は項垂れる。
「ああ、やらかしてしまった。理事長に怒られる!」
「ごめん、かいちょー。オレも一緒に怒られるよ」
謝る鼓くんの肩を掴むと、刑事ドラマみたいに迫真な雰囲気で会長が言った。
「いや、お前は悪くない。オレが全責任を負うよ!」
「結局、全員、花の精なんですか?」
「ああ、そうですよ」
答えてくれたのは、会長じゃなく、さっき鼓くんの首根をつかんだ、赤髪の男性だった。
眼鏡をかけていて顔立ちは和風のイケメンだ。
全員、花の精。
だから、会長は私が生徒会に入るって時に、理事長相手に確認していたのかな?
「紅、言ってしまうのかい!」
「生徒会としてやっていくなら、どうせバレるんです。先に言った方がいいでしょう」
紅さんは冷静に会長に言うと、私を見た。



