最初に思ったのは、甘い花の香り。
香水みたいな、お花屋さんみたいな。
でも、匂いはきつくなく、心地よい香りだ。
次に思ったのは、「お前が、新しいメンバー⁉︎ わっ、本当に桜みたい」
この子、ちょっと近いな。
三十㎝もないとこに、ちょっと素朴だけど、格好いい男子の顔がある。
「こら、鼓。近すぎます、彼女も驚いている」
後ろから首根っこを掴まれ、近かった鮮やかな黄色の髪の男子が、ぐんと離れる。
「ごめんなー」
彼は引っ張られたまま謝る。
「え、あ、大丈夫です」
「後ろを閉めちゃうから、桜ちゃんは中に入ってくれ。レオも向こうで話すから、座っていたまえ」
会長に背を優しく押される。
「はい」
「はーい」
中に入ると、ローテーブル越しに向かい合った二つのロングソファがあった。
右側に、前も後ろも長い黒髪の男子と、白い髪の凄い可愛いスラックスをはいた女の子が座っている。
左側に、レオって呼ばれた男子と、その彼の首根っこを掴んだ赤髪の男子が座る。
私は、テーブルの前に立つと、会長が私の横に立った。
……凄い、みんな美男美女だ。
会長もとってもイケメンで、見たことないレベルだけど、四人も驚く程の美しさを持っている。
「彼女が、今日から生徒会に入る事になった、一年一組の花咲桜さんだよ。転入したばっかで分らない事が多いから、色々教えてあげてくれ」
会長が自己紹介で言う様なこと全部言ってしまったので、私は慌てて頭を下げた。
「ご迷惑おかけするかもしれませんが、精一杯頑張らせてもらいますので、お願いします!」
ぱちぱちと、拍手をされる。



