恋愛日和〜真逆の二人が惹かれ合うまで〜

「やだ!お父さんったら、もぬけの殻になってる」

遅れて中座した日向と一緒に、控え室にカラードレス用のブーケを届けに来た望美が、椅子にへたり込んでいるゴンさんを見て笑う。

「お父さん?もしもーし!」
「お、おう!望美、元気か?」
「あはは!何それ。お父さんこそ大丈夫なの?」
「おうよ。これで心置きなく酒が飲める」
「はいはい。酔っ払ったら私が送って行くから、心置きなく飲んで。って、今どこに住んでるの?酔う前に教えて」
「望美ー、ええ子に育ったもんや」
「お父さん!だから、住所は?」

二人のやり取りに、日向も日和も笑いを堪え切れない。

「じゃあ、私達は先に戻ってるね。ほら行くわよ、お父さん」

ゴンさんの腕を引いて出て行く望美を、手を振って見送った。

「ああ、もう、本当に幸せな日ね。夢みたい」

髪型とメイクを手直しされながら、日和が鏡の中の日向に微笑む。

「そうだな。毎年思い出そう、今日のことを」
「うん!ずっとずっとね」

やがて日和は、ふわりと軽やかに揺れる桜色のカラードレスに着替えた。
望美が用意してくれた桜の生花で髪を飾る。

「日和、よく似合ってる。可愛くて綺麗で、桜の妖精みたいだな」
「ありがとう。私の夢を叶えてくれた日向さんが、誰よりも大好き」
「俺もだよ。日和の願いは何だって叶えてみせる」
「じゃあ、これからもずっとそばにいてね」
「当然。一生離さないからな」
「はい!」

二人でしっかりと腕を組み、微笑み合って披露宴会場に向かった。
望美が作った桜のブーケを手に装いを変えた日和に、ゲストはうっとりしながら拍手を送る。
桜が満開となったこの日、たくさんのゲストに祝福され、日和も日向も幸せいっぱいに笑顔を咲かせていた。