厳かな雰囲気の中、日和は父親と腕を組み、バージンロードを日向のもとへと歩いて行く。

椿、慎一、奥田、部長や同僚。
そしてゴンさんと望美。
皆に見守られながら一歩一歩踏みしめて近づいて来る日和に、日向の胸に熱い想いが込み上げてきた。

まるで正反対の二人が結ばれたこと。
日和を娘のように見守り、命を助けたゴンさんが、こうしてまた望美と会えたこと。
全てが奇跡のように、それでいてこうなる運命だったようにも感じる。

(日和がいてくれる限り、俺の人生は色鮮やかで幸福に満ち溢れている。必ず守っていく。日和と、俺達の幸せな日々を)

やがて自分のもとにたどり着いた日和の手をしっかりと握り、日向はそう心に誓った。

指輪を交換し、日和のベールをそっと上げる。
微笑んで視線を上げた日和は、息を呑むほど美しい。

「日和。俺は日和に出逢えたこと、俺と結婚してくれることに感謝して、一生日和を幸せにする。どんなことがあっても絶対に離さないから。覚悟しろよ?」
「ふふっ。私もあなたが私を好きになってくれたこと、周りのみんなが見守って応援してくれたことに感謝して、一生あなたと共に幸せになります。どんなことがあっても絶対に離れないから、覚悟してね?」
「おう、望むところよ」

二人で笑い合うと、日向は日和の肩に手を置いて抱き寄せる。

「心から日和を愛してる」

耳元でささやくと、日向は想いを込めて日和に優しくキスをした。
列席者の祝福の拍手がシャワーのように二人に降り注ぎ、胸をジンと温かくさせる。

晴れて結ばれ、腕を組んでバージンロードを歩き出した二人に、皆は「おめでとう!」と桜の花びらを浴びせる。
ひらひらとピンクの花びらが舞う中、二人は見つめ合い、幸せな笑顔を輝かせていた。