「いやー、ひよの花嫁姿を見られるなんて、感無量だよ。長生きして良かったなあ」
ホテルの廊下を歩きながら、ゴンさんがしみじみと呟く。
隣で日和が、ふふっと笑った。
「ゴンさんたら、まだ50代でしょ?それより今日は披露宴でのエスコート役、よろしくお願いします」
「それなんだけどよー。ほんとに俺なんかでいいのか?こんなおっさんが、大事なひよと佐野さんの披露宴をぶち壊す訳にいかないし。それにひよのご両親だって、どこの馬の骨とも分からんオヤジに娘をエスコートさせるなんて、ご立腹じゃないのか?」
「全然そんなことないよ!うちの両親もゴンさんには感謝してるって」
日向も頷いて口を開く。
「ゴンさんは日和の命を救ってくれた大恩人ですよ。それに学生の頃から、ずっと日和を見守っていてくれました。俺もゴンさんには心から感謝しています。どうか日和の晴れ舞台で隣を歩いてやってください」
「そう言われちゃあ、断れねえよな。よし、男、権田源三。清水の舞台から飛び降りる覚悟で歩かせてもらいます!」
「そんな大げさな」
あはは!と3人で笑ってから、日和はふと望美を振り返った。
両手で口元を覆い、これ以上ないほど目を見開いている。
「どうかした?望美ちゃ……」
日和の声に、ゴンさんの「えっ、ま、まさか……」という声が重なる。
「もしかして……、望美、なのか?」
日和も日向も、ハッと息を呑む。
やがて望美が小さく「お父、さん……?」と呟いた。
「望美、やっぱり望美なんだな?」
「うん……。本当にお父さんだったなんて」
望美の目からポロポロと涙がこぼれ落ちる。
「望美……」
1歩足を踏み出したものの、ゴンさんはそれ以上進めない。
宙に伸ばした手は、かすかに震えていた。
「どうして、ここに?」
「私が働いてるフラワーショップに、佐野さんとひよちゃんが来てくれて……。今日もブーケを作って持って来たの」
「そうだったのか……。そんなことが、まさか……」
日和は日向と顔を見合わせてから、二人に話しかけた。
「ゴンさん、望美ちゃん。よかったら控え室に一緒にどうぞ。まだ時間も早いから。ね?」
半ば放心しているゴンさんと、涙が止まらない望美を促して、4人で控え室に入った。
ホテルの廊下を歩きながら、ゴンさんがしみじみと呟く。
隣で日和が、ふふっと笑った。
「ゴンさんたら、まだ50代でしょ?それより今日は披露宴でのエスコート役、よろしくお願いします」
「それなんだけどよー。ほんとに俺なんかでいいのか?こんなおっさんが、大事なひよと佐野さんの披露宴をぶち壊す訳にいかないし。それにひよのご両親だって、どこの馬の骨とも分からんオヤジに娘をエスコートさせるなんて、ご立腹じゃないのか?」
「全然そんなことないよ!うちの両親もゴンさんには感謝してるって」
日向も頷いて口を開く。
「ゴンさんは日和の命を救ってくれた大恩人ですよ。それに学生の頃から、ずっと日和を見守っていてくれました。俺もゴンさんには心から感謝しています。どうか日和の晴れ舞台で隣を歩いてやってください」
「そう言われちゃあ、断れねえよな。よし、男、権田源三。清水の舞台から飛び降りる覚悟で歩かせてもらいます!」
「そんな大げさな」
あはは!と3人で笑ってから、日和はふと望美を振り返った。
両手で口元を覆い、これ以上ないほど目を見開いている。
「どうかした?望美ちゃ……」
日和の声に、ゴンさんの「えっ、ま、まさか……」という声が重なる。
「もしかして……、望美、なのか?」
日和も日向も、ハッと息を呑む。
やがて望美が小さく「お父、さん……?」と呟いた。
「望美、やっぱり望美なんだな?」
「うん……。本当にお父さんだったなんて」
望美の目からポロポロと涙がこぼれ落ちる。
「望美……」
1歩足を踏み出したものの、ゴンさんはそれ以上進めない。
宙に伸ばした手は、かすかに震えていた。
「どうして、ここに?」
「私が働いてるフラワーショップに、佐野さんとひよちゃんが来てくれて……。今日もブーケを作って持って来たの」
「そうだったのか……。そんなことが、まさか……」
日和は日向と顔を見合わせてから、二人に話しかけた。
「ゴンさん、望美ちゃん。よかったら控え室に一緒にどうぞ。まだ時間も早いから。ね?」
半ば放心しているゴンさんと、涙が止まらない望美を促して、4人で控え室に入った。



