恋愛日和〜真逆の二人が惹かれ合うまで〜

「わあ、とっても綺麗なクリスマスツリーですね」

ホテルのロビーに飾られた高くそびえるツリーは存在感があり、日和はうっとりと見とれた。

「クリスマスイブに大好きな日向さんと一緒に、こんなに素敵なツリーを見られるなんて夢みたい」

振り返ってにっこり笑いかけてくる日和に、日向はドキッとする。

(そんなことで、こんなに嬉しそうにしてくれるなんて……)

思わず頬を緩めるが、またしても夕べのことを思い出して、現実に引き戻された。

(一体、日和は何を言うつもりなんだろう。『今でもジョリーみたい?』ってどういう意味だ?ジョリーをXと見立てて方程式を使うと解けるかも?)

真顔でそんなことを考えていると、「日向さん」と日和が顔を覗き込んできた。

「えっ、な、なに?」

小首を傾げて笑みを浮かべている日和に、日向は胸がドキリとする。

「お部屋、キャンセルが出たかどうか聞いてみてもいい?ちょっと期待してお泊りセット持って来ちゃったから」
「ああ、それなら俺が聞いてくる。日和はここでツリーの写真撮って待ってて」

そう言い残し、日向はフロントに向かった。
「予約した佐野です」と言ってチェックインを済ませると、カードキーをスーツのポケットに忍ばせて日和のもとへ戻る。

「お待たせ。残念ながら空いてないって」
「そっかあ、やっぱりね。でもツリーの写真も撮れたし、このあとディナーも食べられるから楽しみね」
「ああ。その前に、結婚式の申し込みな」
「うん!早く行こ」

笑顔の日和に手を引かれて、ブライダルサロンのある2階に上がった。