恋愛日和〜真逆の二人が惹かれ合うまで〜

「日向さん、私ってジョリーみたい?」

……は?と、日向は手を止めて真顔になる。

「どういう意味だ?」
「だって……」

日和はほんのり頬を赤く染めてうつむく。

「日向さん、私のことジョリーと間違えたことがあったの」

あ!と日向は思い当たる。

(やっぱりそうだったのか。だから日和は、ジョリーの名前を知ってたんだ)

だが、日和の言いたいことはそれだけではないようだ。

「俺、なんかしでかした?日和の嫌がることとか」
「ううん、違うの。可愛いやつって言って、頭をわしゃわしゃしてただけ。でも今でもそうなのかなって思って……」
「今でも?それってどういう意味だ?」
「えっと、あの」

日和は恥ずかしそうに日向の胸に顔をうずめる。

「やっぱり、いいです……」
「えっ!?それは困る。ちゃんと教えてくれ」
「なんだか、恥ずかしくなってきちゃって……」
「恥ずかしくない!大丈夫だから、言ってごらん?な、日和」

ガラにもなく優しく諭す。
だが日和はますます身を縮こめた。

「じゃあ、明日言ってもいい?」
「い……、や、うん」

良くないが、なんとか堪えて頷く。
日和はようやく顔を上げると、嬉しそうに日向に笑いかけた。

「じゃあ、明日ね。おやすみなさい、日向さん」

そう言って、チュッと可愛く日向の頬にキスをする。
ボッと日向が顔を真っ赤にしている間に、日和はスーッと寝入ってしまった。

(なんだよ、マジかよ?こんなの寝られる訳あるか!)

日向は日和を抱きしめながら、悶々と眠れない夜を過ごした。