恋愛日和〜真逆の二人が惹かれ合うまで〜

「なあ、俺達このまま直帰だろ?椿も呼んで飲みに行かないか?」

帰りの電車の中で慎一が提案し、日向も日和も頷く。
行きつけの居酒屋で待っていると、遅れて椿がやって来た。

「お疲れー。ひよちゃん、久しぶり!」
「お久しぶりです、椿さん」
「どう?新居は。だいぶ落ち着いた?」
「はい。とっても素敵なところで、椿さんには本当に感謝しています」
「どういたしまして。ね、ひよちゃん。また一緒にお買い物行かない?」
「はい、是非!」

女子同士、楽しそうに話が盛り上がっている。
ビールで乾杯すると、慎一が身を乗り出した。

「ひよちゃん、奥田先生からのプレゼント、なんだったの?」
「あ、まだ見てないです。開けてみようかな」

バッグの中をゴソゴソと探る日和に、日向は内心ヒヤヒヤする。

(どうしよう、めっちゃ高価なダイヤのアクセサリーとか、なんならラブレターが入ってたら……)

ゴクリと喉を鳴らして見守っていると、日和は取り出した箱のリボンを解いてフタを開けた。

「わあ、素敵!ハーバリウムのガラスペンだ!綺麗……」

薄いピンク色のペンの本体に、オイルでドライフラワーが閉じ込めてあった。

(こんなのあるんだ。ガラスペンってなんだ?)

日向は日和が手にした美しいペンをじっと見つめる。

「これ、前から気になってたんです」
「そうなんだ。奥田先生、さすがひよちゃんの好きなものよく分かってるね」

慎一の言葉に、またしても日向は反応してしまう。

(俺だって、日和の好きなものプレゼントしたからな!あ、つい日和って呼んじゃったけど、俺だって心の中では日和って呼べるんだからな!)

メラメラと闘争心を燃やし、グイッとビールを煽る。

「ん?日向、どうかしたの?」

椿が首を傾げて聞いてくる。

「別に?俺だって負けてないってだけだ」
「は?」

キョトンとする椿の横で、慎一が「分かりやすっ」と呟いた。