恋愛日和〜真逆の二人が惹かれ合うまで〜

2度目の総合病院訪問の日がやって来た。
日向、日和、慎一の3人で会社を出ると、電車で向かう。

「脳外科のドクターか。どんな感じの人?頭いいんだろうな。軽蔑されたらどうしよう」

心配そうに呟く慎一に、日和が笑顔になる。

「大丈夫です。奥田先生は普通の人ですよ」
「ん?ひよちゃん、親しいの?」
「幼馴染なんです。実家が近くて、よく遊んでもらいました」
「へえー!じゃあもしかして、ひよちゃんの初恋の人?」

日向はハッとして顔を上げた。

「違いますけど、どうしてですか?」
「だって年上の幼馴染でしょ?初恋にピッタリじゃん」
「そうなんですか?」
「まあ、漫画ではよくあるパターンだな。ひよちゃんは全く好きにならなかったの?」
「うーん、そうですね……」

宙に目をやって考える日和に、日向はハラハラする。

(なんだ?もしかして、好きになったことあるのか?もしくは、告白されたり?)

すると日和は、再び慎一を見てにっこり笑う。

「好きは好きでしたけど、お兄ちゃんって感じで、なついてただけです」
「ふうん。でもさ、こうして東京で再会したんでしょ?そこから恋に発展するのもベタな流れなんだよ」
「ここからですか?」

そう言ってまた日和は考え込む。

「ないと思います。かずく……、奥田先生には、もう恋人がいるんじゃないかなあ」
「確かめたの?」
「そういう訳ではないですけど。お医者様はナースとか女医さんと結婚しそうですもん」
「あー、それもよくあるパターンだろうね」
「それに奥田先生は私のこと、妹としか思ってないですよ」
「昔はそうでも、今は分かんないよ?妹だと思ってたひよちゃんが、綺麗なお姉さんになってバリバリ仕事してる。そのギャップにやられるのもベタだよなー。俺、奥田先生に会うのが楽しみになってきた。ひよちゃんへの眼差しを、よーく見ておくよ」

日向は「おい」と慎一を横目で睨む。

「随分余裕だな。せっかく俺が取り付けた仕事を、舐めてもらっちゃ困るんだが?」

慎一は「はーい」と肩をすくめた。