恋愛日和〜真逆の二人が惹かれ合うまで〜

残りのお盆休みも、近場に出かけたり日和の身の回りの手続きをして過ごした。
ゴンさんにも連絡し、全焼したアパートの管理会社の対応などを教えてもらう。
休みが終わり、会社に二人で出社すると、日和は部長に状況を知らせた。

「そうか、大変だったね。手続きはまだ残ってるの?」
「はい。銀行も区役所もお盆休みでしたので、まだ窓口に行けてなくて」
「それなら今日はもういいから、行ってらっしゃい」
「はい、ありがとうございます」

日和は荷物をまとめると、挨拶してからオフィスを出て行った。

「宇野!」

日向は廊下に出て日和を呼び止める。

「大丈夫か?一人で」
「はい。さすがにもう大人ですから、なんとかします」
「分かった。何か困ったことがあれば、すぐに連絡しろ。あと、これ」

そう言って日向は周りを気にしたあと、日和の手を取って合鍵を握らせた。

「先に帰ってろ。俺もなるべく早く帰るから」
「はい、分かりました。ありがとうございます」
「気をつけてな」

日和がエレベーターに乗り込むまで、日向はその場に佇んで見送った。