カーナビの案内で到着したのは、工事現場の片隅のプレハブの事務所だった。
車を止めて降りると、カラカラと引き戸が開いて、半そでの部屋着姿の日和が出て来た。
「宇野!」
駆け寄って肩に手を置き、顔を覗き込む。
「大丈夫か?ケガは?」
「ありません。どこも平気です」
「良かった……」
ホッとして大きく息を吐くと、続いてゴンさんが現れた。
日向は改めて頭を下げる。
「権田さん、この度は本当にありがとうございました。どんなにお礼を申し上げても感謝し切れません」
「いやいや、そんな。顔を上げてください。こんな冴えない中年オヤジに、そこまでしなくても」
「とんでもない。あなたは宇野の命の恩人です」
「いやー、俺が勝手にやったことですから。俺にはひよちゃんと同じ歳の娘がいてね。女房と離婚してから、もう15年近く会えないままなんだ。だからどうしてもひよちゃんを他人だとは思えなくてな」
ゴンさん……と、日和が呟く。
どうやら彼女も初めて聞く話のようだった。
「まあそんな訳で、今まで勝手にひよちゃんのことを我が子のように心配してたんだ。無事に助けられて本当に良かった。けどな、ひよちゃん。やっぱりこれを機にちゃんとした住まいに引っ越した方がいい。この辺りは夜はひと気がなくて危険だし」
「でもゴンさんは?私、ゴンさんに会えなくなるの寂しい」
日和がそう言うと、ゴンさんは驚いて仰け反る。
「バ、バカ野郎!こんなオヤジになんてこと言うんだ」
「だってゴンさんは私にとって、もう一人のお父さんだもん」
「ひよちゃん……」
ゴンさんはグズッと腕で目元をこすると、フイと横を向いた。
「ほら、早く行きな。真夜中なんだぞ?」
「うん。ありがとう、ゴンさん。また連絡するね」
「ああ。佐野さん、ひよちゃんをよろしくお願いします」
深々と頭を下げるゴンさんに、日向も「承知しました」とお辞儀をしてから、日和を車に促した。
車を止めて降りると、カラカラと引き戸が開いて、半そでの部屋着姿の日和が出て来た。
「宇野!」
駆け寄って肩に手を置き、顔を覗き込む。
「大丈夫か?ケガは?」
「ありません。どこも平気です」
「良かった……」
ホッとして大きく息を吐くと、続いてゴンさんが現れた。
日向は改めて頭を下げる。
「権田さん、この度は本当にありがとうございました。どんなにお礼を申し上げても感謝し切れません」
「いやいや、そんな。顔を上げてください。こんな冴えない中年オヤジに、そこまでしなくても」
「とんでもない。あなたは宇野の命の恩人です」
「いやー、俺が勝手にやったことですから。俺にはひよちゃんと同じ歳の娘がいてね。女房と離婚してから、もう15年近く会えないままなんだ。だからどうしてもひよちゃんを他人だとは思えなくてな」
ゴンさん……と、日和が呟く。
どうやら彼女も初めて聞く話のようだった。
「まあそんな訳で、今まで勝手にひよちゃんのことを我が子のように心配してたんだ。無事に助けられて本当に良かった。けどな、ひよちゃん。やっぱりこれを機にちゃんとした住まいに引っ越した方がいい。この辺りは夜はひと気がなくて危険だし」
「でもゴンさんは?私、ゴンさんに会えなくなるの寂しい」
日和がそう言うと、ゴンさんは驚いて仰け反る。
「バ、バカ野郎!こんなオヤジになんてこと言うんだ」
「だってゴンさんは私にとって、もう一人のお父さんだもん」
「ひよちゃん……」
ゴンさんはグズッと腕で目元をこすると、フイと横を向いた。
「ほら、早く行きな。真夜中なんだぞ?」
「うん。ありがとう、ゴンさん。また連絡するね」
「ああ。佐野さん、ひよちゃんをよろしくお願いします」
深々と頭を下げるゴンさんに、日向も「承知しました」とお辞儀をしてから、日和を車に促した。



