「宇野、ちょっといいか?」
どうにも気になってしまい、ミーティングを終えたあと日向は日和を呼び止めた。
「はい、なんでしょうか?」
「うん、えっと。昨日のアパートは、昔から住んでるのか?」
「はい。大学に入学した時からずっと住んでいます」
「そうか。その、色々危なくないか?あんな路面に面した玄関がある1階なんて」
「え?ああ、セキュリティーとかですか?確かに危ないかもしれないですけど、ゴンさんがいてくれるので」
日向はガーン!と衝撃を受ける。
「ゴ、ゴンさんは、つまり、お前の?」
「私の?えっと、隣人です」
「それは分かってるよ!隣人、かつ……?」
「かつ?えっと、頼りになる人です」
うぬぬ、と日向は歯がゆさを押し殺した。
「ゴンさんって、今いくつだ?」
「いくつって、年齢ですか?知り合った時に50歳って言ってたから……、今年で54だと思います」
「54……。お前は22だよな?」
「はい。今年23になります」
54と23……と、日向は視線をそらして考え込んだ。
(親子ほど離れてる。まさかな、うん。宇野みたいな純真無垢な感じの子が、おじさんとつき合うなんて)
日和はキョトンとしながら小首を傾げて、日向を見上げる。
「あの、佐野さん?ゴンさんがどうかしましたか?」
「いや、なんでもない。じゃあオフィスに戻るか」
「はい」
ようやく二人で廊下を歩き始めた。
だがのちに日向は、この時のことを激しく後悔することになる。
ゴンさんに気を取られて、日和に引っ越しを勧めそびれた自分を――。
どうにも気になってしまい、ミーティングを終えたあと日向は日和を呼び止めた。
「はい、なんでしょうか?」
「うん、えっと。昨日のアパートは、昔から住んでるのか?」
「はい。大学に入学した時からずっと住んでいます」
「そうか。その、色々危なくないか?あんな路面に面した玄関がある1階なんて」
「え?ああ、セキュリティーとかですか?確かに危ないかもしれないですけど、ゴンさんがいてくれるので」
日向はガーン!と衝撃を受ける。
「ゴ、ゴンさんは、つまり、お前の?」
「私の?えっと、隣人です」
「それは分かってるよ!隣人、かつ……?」
「かつ?えっと、頼りになる人です」
うぬぬ、と日向は歯がゆさを押し殺した。
「ゴンさんって、今いくつだ?」
「いくつって、年齢ですか?知り合った時に50歳って言ってたから……、今年で54だと思います」
「54……。お前は22だよな?」
「はい。今年23になります」
54と23……と、日向は視線をそらして考え込んだ。
(親子ほど離れてる。まさかな、うん。宇野みたいな純真無垢な感じの子が、おじさんとつき合うなんて)
日和はキョトンとしながら小首を傾げて、日向を見上げる。
「あの、佐野さん?ゴンさんがどうかしましたか?」
「いや、なんでもない。じゃあオフィスに戻るか」
「はい」
ようやく二人で廊下を歩き始めた。
だがのちに日向は、この時のことを激しく後悔することになる。
ゴンさんに気を取られて、日和に引っ越しを勧めそびれた自分を――。



