「ごめん瞳。本当にごめん」
ミッションをクリアして外へ出てからも昇はずっとそう呟いていた。

「大丈夫だってば、全然痛くなかったんだから」
昇は私を殴るときにかなり手加減してくれていた。

大きな音は鳴ったけれど、痛みは大したことなかったのだ。
「でも俺、好きな子を殴るなんて最低だ」

その言葉を聞いた瞬間心臓がドクンッと跳ねた。
今の、本当?
そう聞き返したかったけれど、できなかった。

お互いの気持を確かめ合うのは今じゃない。
「このまま学校に戻るの?」
そう聞いてきたのは隣を歩いていた知里だ。

家から出てなんとなく学校方面へ歩いているけれど、もう1時間目の授業が始まる時間になっている。

今から行っても遅刻扱いだ。
「俺、少し【R‐リアル】について調べてみようと思うんだ」

「調べる?」