「次の通知はなんだ?」
昇がそうつぶやきながらスマホ画面を確認し、「げっ」と嫌そうな声をあげた。

私も自分のスマホを確認してみると、そこには【10分以内にカエルを殺して動画を投稿しろ】と、書かれている。

「カエルを殺すとか、無理だよ」
震えた声で言ったのは知里だ。

知里は大のカエル嫌いで、梅雨の時期に道路で跳ねているカエルを見るだけで悲鳴をあげている。

「僕も無理だな。悪いけど今回は参加できそうにない」
中条先輩は知里以上に顔をしかめて、青ざめている。

本当にカエルが苦手な人は、文字で見るのも嫌なんだろう。
「でも、万引動画も撮れてないんじゃないですか?」

美穂からの質問に中条先輩はうなづいた。
「あんなことできるわけないからね。じゃ、僕は先に学校に行くから」

ということは、中条先輩はここでミス2になるということだ。
あと1回ミスすれば失格となってしまう。
残念な気もするけれど、無理強いはできない。

私達は中条先輩の背中を見送り、作戦を立てることにした。