「一千万円!?」
昇のスマホを覗き込んでいた美穂の声が裏返っている。
「そんなにもらえるの?」
知里も目がキラキラと輝き始めている。

「100ポイントってことは、100回も動画を撮影するってことでしょう? しかも通知が来るのは1日1回じゃん。少なくても100日かかるってことだよ?」

あまりに気のながいゲームに私はため息を吐き出した。
最短でも100日かかるし、そんなに毎日動画撮影ができるとも思えない。
けれど大きな賞金を目の前にして知里と美穂は興味津々だ。

「こんなゲーム現実的じゃないよ?」
「それでもやってみる価値はあるだろ。10ポイント貯めたらご褒美が出るって言うんだし」

昇も参加するつもりみたいでさっきから何度も説明を読み直している。
「1日のうちいつ通知がくるかわからないんだよ? 学校にいる時間に通知が来たら終わり」

「律儀にスマホの電源切ってるヤツなんて滅多にいないって」
昇の言葉に知里がサッと顔を赤くした。