☆☆☆

動きやすい格好に着替えた私はすぐに家を出て自転車にまたがった。

勢いよく漕ぎ始めてから、自分ではまだ通知内容を確認していなかったことに気がつく。

だけどそれは後からでもできる。
とんでもない指示だし、時間制限も短い。
みんなと合流して話し合う時間が少しでも必要だった。

私がコンビニに到着したのとほぼ同時に知里がやってきた。
店の前には美穂と昇姿もある。
「瞳……」

自転車を止めた知里が不安そうな表情をこちらへ向けるので、私は頷いた。
「大丈夫だよ。とにかく、みんなと離そう」

そう言いながらスマホを取り出す。
そして通知を確認してみると、昇が言っていた通りの指示が書かれていた。

冗談だと期待していた部分があったのに、それも打ち砕かれてしまった。
「万引とか、嘘だよね?」