その言葉に立ち止まり、振り返る。
嫌な記憶が蘇ってきて、全身に冷や汗が流れ、鼓動が速くなる。

「瞳、どうしたの?」
知里に呼ばれて我に返った。
あの偽物のアプリはもう消滅した。

五十嵐花子が成仏したタイミングで、いつの間にかスマホから消えていたのだ。

だから彼女たちが話していた【R‐リアル】は本物に決まっている。
「なんでもないよ」
笑顔を浮かべてふたりに追いつく。

そして考えた。
ねぇ、あなたがいまプレイしているそのアプリ。
本当に信用できますか?


END