「それって、通知が来たら2分以内に写真を撮って投稿するアプリですよね? それを、無理やりやらされていたんですね?」

私が聞くと女性は頷いた。
やっぱり、五十嵐花子がやっていたのは私達とは違う、おそらくは本物の【R‐リアル】だ。

だけど、それでも強要されれば怖いはずだ。
「通知に反応できなかったら、どうなったんですか?」
洋太さんが更に質問を続ける。

「悪魔みたいな3人組がよってたかって娘を殴ったり蹴ったりしていたわ。1度だけ、制服がボロボロになって帰ってきたのを覚えてる。どうしたのか聞いたけれど、答えてくれなかった」

女性は悔しそうに下唇を噛み締めた。
娘が死んだ原因は自分にもあると考えているのかもしれない。

あのときもっとこうしていれば、娘は死なずに済んだのに。
そんな、悲しい想像を繰り返してきたんだろう。
「そのいじめっ子たちは今どうしているんですか?」