「住所までわかってるんだね。家はやっぱりそう遠くないか」
昇のメモを見て洋太さんが言う。

事故現場もここからそんなに離れていなかったし、家も近いみたいだ。
「でも、まだここに親族の人が暮らしているとは限らないよね?」

不安そうな声で言ったのは知里だ。
確かに子供が亡くなってしまってから引っ越している可能性もある。

「とにかく行ってみよう。誰かがいれば話を聞けるかもしれない」
洋太さんはそう言い、席を立ったのだった。