洋太さんは昨日と同じファミレスに先に来ていた。
始めてあったときよりも随分疲れた顔をしていて、目の下にはクマがついている。
洋太さんも【R‐リアル】のせいで眠れない日々を送っているんだろう。
「友達のこと、残念だったね」
席についてすぐにそう声をかけてくれる。
私はまた出てきそうになる涙をどうにか押し込めて頷いた。
「美穂のためにも、絶対にこのアプリを止めたいんです」
「わかってる。ここにいる全員が同じ気持ちだよ」
洋太さんが優しい声でそう言ってくれると、荒れていた気持ちが少しだけ落ち着くのを感じる。
「五十嵐花子について調べたんだけど、ネット上では個人情報が載ってたんだ」
昇がスマホのメモ帳を表示する。
そこには独自に集めた情報が箇条書きにされていた。