☆☆☆

学校に到着すると知里と昇が昇降口で私を待ってくれていた。

本当は今日も【R‐リアル】について調べたかったのだけれど、さすがに二日間サボっているので出席することになったのだ。

そういえば、これまでの皆勤賞もこれで崩れたことになる。
靴を履き替えながらそんなことを考えて、つい苦笑いをしてしまった。

今はもう皆勤賞なんてどうでもいいのに。
「昨日家に帰ってから五十嵐花子についてもう少し調べたんだ」
歩きながら昇が言う。

五十嵐花子は２年前、１４歳のときに事故死した。
通っていたのは山岡東中学校。

おそらく、そこでイジメにあっていて、無理やり【R‐リアル】をやらされていた。

「ちなみに、五十嵐花子が使っていたのは本物の【R‐リアル】の方だった」
昇がそこまで説明したとき、ポケットの中のスマホが震えた。
同時に知里と昇も反応したからきっと全員に通知が届いたんだ。

「今日早いね」
知里が極力明るい声で言うけれど、その表情は引きつっている。