学校が終わる時間を待ってから家に帰ると、お母さんが先に帰宅してリビングで洗濯物を畳んでいた。
「ただいま」
と、短く言って自分の部屋へ向かおうとしたところで「スマホ、持っていったでしょう?」と質問されて立ち止まった。
そのひとことで心臓が早鐘を打ち、冷や汗が背中を流れていった。
「どうしてそんなことするの? そんなにスマホが大切?」
私は答えられず、スマホが入っているポケットを無意識の内に握りしめていた。
「まだ返すとは言ってないの。出しなさい」
お母さんが私に右手を差し出す。
その表情は険しくて、有無も言わせぬ迫力があった。
今までの優しいお母さんとはまるで別人みたいだ。
だけど私は首を左右に振った。
「できないの」
「なに言ってるの? 今ならまだお父さんには黙っておいてあげるから、早く出しなさい」
「いや……これがないとダメなの」
「ただいま」
と、短く言って自分の部屋へ向かおうとしたところで「スマホ、持っていったでしょう?」と質問されて立ち止まった。
そのひとことで心臓が早鐘を打ち、冷や汗が背中を流れていった。
「どうしてそんなことするの? そんなにスマホが大切?」
私は答えられず、スマホが入っているポケットを無意識の内に握りしめていた。
「まだ返すとは言ってないの。出しなさい」
お母さんが私に右手を差し出す。
その表情は険しくて、有無も言わせぬ迫力があった。
今までの優しいお母さんとはまるで別人みたいだ。
だけど私は首を左右に振った。
「できないの」
「なに言ってるの? 今ならまだお父さんには黙っておいてあげるから、早く出しなさい」
「いや……これがないとダメなの」