自分のスマホを確認しなくても、テーブルの上にある昇のスマホ画面を見ればなにがきたのかすぐにわかった。
「アプリからの通知だ。【2分以内に白い花の動画を撮影しろ】。2分か、時間がないな」

昇がすぐに立ち上がる。
私たちもそれに続いてお店の外へと移動したのだった。

幸い、白い花という指定だけだったので歩道に出てすぐ見つけることができた。
その花は室外機のすぐそばに咲いていて、寒くなってきてからも枯れることなく揺れていた。

「今日のミッションはクリアしたね」
ホッとした声色で洋太さんが呟く。

「君たち、まだ時間は大丈夫?」
「はい。今日は学校が休みなので」
洋太さんからの質問に私は適当に返事をした。

まだまだ調べ足りないのに、今からでも学校へ行くように言われてはたまらない。

「それなら良かった。せっかく五十嵐花子について少しわかってきたから、事故現場へ行ってみようと思うんだ」