☆☆☆

先生の家から学校の近くへ戻ってきたときにはもう夕方近くになっていた。
随分長く菅原先生の家にいさせてもらったことになる。
それから私と知里は私の家に戻り、制服に着替えた。

そしてまた家を出て、学校にカバンを取りに行っていた昇と合流してカバンを受け取り、再び家に帰るという面倒なことをするはめになってしまった。

それも仕方のないことなんだけれど。

両親は私がスマホをこっそり取り戻したことにまだ気がついていないようだったけれど、いたたまれない気持ちになってすぐに部屋にこもってしまった。

ベッドに潜り込んでスマホを握りしめていると昇からのメッセージが届いた。
《昇:明日はこの絵の女の子について調べよう》

もちろん、そうするつもりだ。
あの絵は菅原先生が残してくれた最後のビントになる。
私はスマホを握りしめたまま、目を閉じたのだった。